IHC・ISH試薬 Molecular Diagnostics Division
保管温度2~8℃
ヒストステイナーAT用
EBER-CISHプローブ(AT用)
■使用目的:組織・細胞中のEBERの検出。
・本品は、自動染色装置ヒストステイナーAT用の試薬 ISH プローブである。
スクロールで確認できます→
体外診/ 研究用 |
コード | 品名 | 包装 | 価格(円) (税抜) |
電子 添文 |
使用 説明書 |
SDS | |
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研究用 | AT1109-1 | EBER-CISHプローブ(AT用) | 20テスト (3.2mL) |
64,000 | ー |
用手法用
ヒストステイナー用
ヒストステイナーAT用
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概要
Epstein-Barr virus (EBV)はγヘルペスウイルスに分類される二本鎖DNAウイルスで(1)、世界人口の90%以上がEBVに既感染であると言われている(2)。EBVは上皮細胞やリンパ系細胞に感染し(1)、溶解感染と潜伏感染の2つの感染様式をもつが(2)、このうち潜伏感染状態が発がんに関与しており(3)、EBV関連がんにはバーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、胃癌、上咽頭癌などがある(4)。潜伏感染状態においては、EBER(Epstein–Barr virus–encoded small RNAs(EBER-1及びEBER-2))と呼ばれるnon-coding RNAを豊富に産生しているため(1)(3)(5)、Chromogenic in situ ハイブリダイゼーション(CISH)法を用いたEBERの核染色の検出は、EBV潜伏感染のマーカーとしてEBV感染関連疾患の判別に有用である(6)。
注) EBERが発現している細胞では、核の他に細胞質にも弱~中程度の染色がみられることがある。
測定原理
in situ ハイブリダイゼーション(ISH)法は、組織又は細胞における特定の核酸配列に相補的なオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイゼーションすることで、その局在を検出する技術である。ISH法の一つであるChromogenic in situ ハイブリダイゼーション(CISH)法は、ハプテン等で標識されたプローブをハイブリダイゼーションさせ、その後酵素を標識した抗ハプテン抗体等を反応し、その酵素活性を利用して色素原(Chromogen)を発色させる。光学顕微鏡下で組織形態と標的核酸の局在を同時に観察可能にする染色法である。
EBER CISHの染色操作は、自動染色装置(ヒストステイナーAT 及びそれと同等の装置)を用いて行う。
初めにホルマリン固定パラフィン包埋された組織又は細胞中の標的核酸配列に相補的なISHプローブ※1をハイブリダイゼーションさせる。次に酵素と抗体を結合させたアミノ酸ポリマー(CISH検出試薬A※2)を反応させ、さらに架橋試薬(CISH検出試薬B※2)を反応させた後、抗体と酵素を結合させたアミノ酸ポリマー(CISH検出試薬C※2)を反応させる。その結果、標的核酸・プローブ・CISH検出試薬A・B・Cの複合体を形成することができる。この複合体の酵素活性と基質を利用してDAB沈殿物を生成し呈色させる。EBER CISHでは、標的核酸であるEBERを可視化することで、光学顕微鏡によりEBER発現の有無を確認することができる。
※1 EBER-CISH プローブ(AT用)
※2 BRIGHTEST-CISH(AT用) 構成試薬
CISH検出試薬A:ペルオキシダーゼ標識抗ジゴキシゲニンポリクローナル抗体(Fab')(動物種:ヤギ)
CISH検出試薬B:抗ペルオキシダーゼモノクローナル抗体(動物種:マウス)
CISH検出試薬C:ペルオキシダーゼ標識抗マウス IgG ポリクローナル抗体(Fab')(動物種:ヤギ)
文献
1) Khan G, et al. Epstein Barr virus (EBV) encoded small RNAs: targets for detection by in situ hybridisation with oligonucleotide probes. J Clin Pathol. 1992 Jul;45(7):616-20.
2) 佐藤好隆. Epstein-Barr ウイルス溶解感染における細胞内環境変化に関する研究. ウイルス. 2020;70(1):83-90.
3) Iwakiri D. Epstein-Barr Virus-Encoded RNAs: Key Molecules in Viral Pathogenesis. Cancers (Basel). 2014 Aug 6;6(3):1615-30.
4) Kim DN, et al. Characterization of naturally Epstein-Barr virus-infected gastric carcinoma cell line YCCEL1. J Gen Virol. 2013 Mar;94(Pt 3):497-506.
5) Ahmed W, et al. Epstein-Barr virus-encoded small RNAs (EBERs) are present in fractions related to exosomes released by EBV-transformed cells. PLoS One. 2014 Jun 4;9(6):e99163.
6) Gulley ML. Molecular diagnosis of Epstein-Barr virus-related diseases. J Mol Diagn. 2001 Feb;3(1):1-10.
7) 日本病理学会 編. ゲノム研究用・診療用病理組織検体取扱い規程 . 羊土社. 2019.
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