M6E3免疫組織化学染色試薬ヒストファインMSKM9-2IgG1特異性および抗原分布:ヒトSALL4(Sal-like protein 4)タンパク質と特異的に反応する。SALL4はジンクフィンガー転写因子であり、生物の発生及び腫瘍増殖において、細胞の幹細胞性に寄与するマスターレギュレーターである。正常の成人組織では、SALL4を発現する細胞は限定されており、精巣の精原細胞の核に弱〜中程度の反応がみられる。また、卵巣の卵母細胞でも反応がみられることがある。腫瘍では、セミノーマ/未分化胚細胞腫(ディスジャーミノーマ)/胚細胞腫(ジャーミノーマ)、胎児性癌、卵黄嚢腫瘍などの胚細胞腫瘍で反応がみられるため、胚細胞腫瘍の有用なマーカーとして示されている。一方で一部の非胚細胞腫瘍(卵巣漿液性癌、胃腺癌、高悪性度の尿路上皮癌、肺小細胞癌、胆管癌など)でも反応がみられることがあるため留意する必要がある。備考:組織・細胞中のSALL4タンパク質の染色。パラフィン包埋切片の場合、染色前にヒストファイン 抗原賦活化液pH9(コード:415201またはコード:415211→P90)を用いた温浴による抗原賦活化処理によって、良好な染色結果が得られる。特異性および抗原分布:ヒトシアル化HEG1(Sialylated HEG1)タンパク質と特異的に反応する。シアル化HEG1は、HEG1(分子量約150kD)のN末端側の細胞外ドメインに存在する長いSer/Thr(セリン/スレオニン) rich領域に多数のシアル化O型糖鎖が結合した膜型ムチン様タンパク質である。本抗体は、Ser/Thr rich領域内のシアル化された893SKSPSLVSLPT903 の配列を認識する。シアル化HEG1の機能は不明であるが、特に悪性中皮腫細胞の細胞膜や細胞質に発現がみられる。悪性中皮腫では感度92%、特異度99%で発現がみられ、既知の中皮腫マーカーより、感度、特異度が高いことが報告されている。 正常組織では、ほとんど発現はみられないが、毛細血管内皮や反応性中皮細胞などに発現がみられる場合がある。悪性中皮腫において、シアル化HEG1の発現の有無を既知の中皮腫マーカーと同時に検出することは、中皮腫の判別の信頼性を更に高めるうえで非常に有用である。備考:組織・細胞中のシアル化HEG1の染色。パラフィン包埋切片の場合、染色前にヒストファイン 抗原賦活化液pH9(コード:415201またはコード:415211→P90)を用いたオートクレーブによる抗原賦活化処理によって、良好な染色結果が得られる。品名 / 略称等価格は最新の「製品コード・価格一覧表」をご覧ください。 本試薬はパラフィン包埋切片用です。M:マウス R:ウサギMW:マイクロウェーブ AC:オートクレーブ T:トリプシン Pro:プロテアーゼセミノーマ:腫瘍細胞の核に陽性反応がみられる。 pH9 温浴処理(+) 中皮腫(上皮型):散在する腫瘍細胞の細胞膜に陽性反応を示す。 pH9 AC処理(+)中皮腫(肉腫型):散在する紡錘形の腫瘍細胞の細胞膜および細胞質(弱め)に陽性反応を示す。また胞体上にドット上の陽性反応を示す場合がある。 pH9 AC処理(+)参照→P44-45動物種 クローン名抗体のクラス/サブクラスコード418441IgG1 Kappa418231参照→P42-43希釈済抗体6mL希釈済抗体6mL包装 2−8℃2−8℃貯法処理方法温浴AC研究用としてのみ使用すること153抗SALL4モノクローナル抗体(6E3)Anti-SALL4(Sal-like protein 4)Monoclonal Antibody(6E3)抗シアル化HEG1モノクローナル抗体(SKM9-2)Anti-Sialylated HEG1 Monoclonal Antibody (SKM9-2)
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